1982年8月11日水曜日

蝉時雨

母なる白石川の音を聞きながら寝たら、朝はすっきり、昨日のいやな気分もだいぶ晴れていた。元気良く出発。国道113号線をとにかく日本海目指す。

暑い夏だった。そして、今でもこの道の様子が時々蘇ることが有る。

山に行って最後の急登にさしかかったとき、たまにしか乗らなくなったけど自転車で辛い上りを行くとき、仕事で連日の徹夜を強いられているとき。何故か頭のなかでは蝉時雨。あの国道113号線、山形を過ぎ新潟の県境を迎えそれでもまだ辛いアップダウンを行くとき、道端の木々から蝉時雨が降り注いでいた。真っ白な景色。そして開けた先に見えた日本海を僕は忘れない。

長い下りを快調にとばし、無事村上市へ到着。ここから国道345号線にのる。高校時代に自転車で東北1周したとき、ここ笹川流れの景色を見て感動した。1日中この景色を見て走る喜びを感じた。ここは夕日が特にすばらしい。あの頃のことを思い出しながらひたすら北上する。確かこの辺のバス停かなにかに泊ったはず・・・。なんとなく覚えのある近くの海岸でキャンプ。思い出に浸っていると隣のテントではカラオケが始まる。勘弁してほしい。なんでどこでもここでもカラオケをしたがるんだろう。