1982年8月21日土曜日

函館の休養

とうとう北海道へやって来た。フェリーから降りて直ぐに函館駅へ向い今夜の宿を探す。

駅の入口の壁に自転車をたてかけ、旅行センターへ。「函館市内でここから出来るだけ近い、最も安い宿」をリクエスト。
「それならねぇ」職員さんがぱらぱらと資料をめくる。
「ここが良いね。『いずみ旅館』、1泊2000円だけどいい?」。おー、安い。早速連絡をしてもらい向うことにする。すると
「飯はついてないよ。」
「適当にどこかで食べるから大丈夫です。」
「なら、ここに行ってみな。『養老の滝』。安くて旨いよ。」
「そうします。ありがとう。」

いずみ旅館は小さな素泊りの宿だった。初老の夫婦が経営していた。まずは部屋へ。う~ん、窓が無い。ま、涼しいから良いか。蒲団も大きいし清潔なので、なにより安いので気に入った。
疲れをとるために連泊することにする。

先に風呂に入り汚れをおとし、部屋でしばしごろごろして、暗くなるころ街へ。養老の滝へ向う。

いいなぁ。こんな居酒屋が一番落着きますね。
まずは生大ジョッキ(350円)を注文。一息で飲み干しおかわり。

食べるものは北海道らしいものと思ったのだが、よくわからないので、なんだか学生時代と同じようなパターンとなってしまった。
焼鳥3本(300円)、イカの刺身(250円)、しおから(150円)、ししゃも5匹(200円)、石狩なべ(500円)。
どれもとても旨い。結局生大ジョッキも3杯飲んで良い気分で店を出る。

街を少し歩くとパチンコ店が。なんだかむしょうに打ちたくなって入店。元々上手では無いので、あっと言うまに700円使い宿に帰る。

久々の人込みと雑音に身をゆだねつつ疲れをとる。この日はいつのまにか寝込んでしまっていた。

翌朝宿のご夫婦と一緒に朝食をごちそうになった。ありがたい。今夜も泊る事を伝えるととても喜んでくれた。それで頼みが有ると言う。
これから夫婦で出掛ける用事が有る。この部屋でテレビを見たりお菓子を食べたりして良いので、留守番をして欲しいと。

今日は1日寝て過すつもりだったので留守番をひきうける。お言葉に甘えてお茶をいただき、菓子をつまみながら、テレビを見る。
飼猫出現。1日中猫と遊びながら過した。お客は一人も来なかった。

夕方、ご夫婦が帰って来たので旅行に必要な物を買い出しにでる。そのまま、また養老の滝へ。満腹で帰り荷物の整理をして早めに就寝。明日からはいよいよ北海道の道だ。